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 『京都というまちを考える試み。』
  第8回 立命館大学でハンストが行なわれる

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第8回原稿 

   去る7月17日から20日にかけて、衣笠の立命館大学の西側広場にて、
  ハンストが行われた。ハンストと言っても、なかなか想像力がわかなく、
  しかも立命館大学という、関西でも屈指の管理強化で居心地の悪さを
  発揮しているキャンパスでの行動ということで、興味本位もあり、行ってみた。

   何のためのハンストかということを書いておくと、
  非常勤で語学を教えている講師が、勝手に解雇通告を受けたことに対する
  抗議ハンストである。詳しいことは参考サイトなどを見てほしいのだが
  ( http://gurits.exblog.jp/i20 )、そのハンスト現場は、異空間を大学内に
  つくり出していた。

   10時から開始しているということで、私は10時過ぎには立命館に着いた。
  ハンスト現場へ行ってみると人がいなかった。知り合いの立命の人に
  「早いねー」と言われた。なんとも時間通りに始まらないというのは、
  少なくとも大学という場にとって重要である。
  そこには将棋があった。夜勤明けでくたびれている人がハンスト現場に
  現われ、その人と将棋をした。私が勝った。ハンストのブログなどを見て
  いると、将棋が流行していたようだ。

   周辺を学生が通る。「パンスト?」「反スト?」という、
  様々なつぶやきが聞こえてくる。ハンストという単語は、そんなに学生には
  浸透していないようだが、カフェになっているハンスト現場には、多くの人が
  訪れ、色んな話声が重なっていた。非常勤講師の人もたくさん訪れた。
  語学の教員のほとんどは超不安定な雇用形態である。
  また、カフェを実質支えていた大学院生や学生も、不安定な形で働いているし
  その予備軍である。本当に多くの人が、自分の参加できる時間を見つけて
  現場に訪れていた。私は数時間しかいなかったが、様々な人が訪れ、
  会話がなされる場というのは、大事だと思う。

   ハンストに対し、立命館大学当局は、ほとんど介入してこなかった。
  そのへんの理由はよくわからないのだが、ハンストを通して、様々なことが
  行われ、とても創造的な空間になるような、ハンストだったんじゃないか
  と思う。これだけ何も言われないなら、もっと色んなことをしてしまいたい、
  と勝手に思う。もちろん、これからも抗議行動は継続する。考えてみると、
  秋に始まる後期は、だんだん寒くなる。寒い日には酒と鍋がたまらない。
  学生にとって、鍋は弁当であり、酒はスポーツドリンクである。
  そんな、学生の想像力が、あのハンスト現場を思い出すたびに・・・

   最後にハンストを貫き通した方、そして常に場をつくりあげた皆さん、
  本当にお疲れさまです。


 構成:【PeaceMedia】/(C)かげもん 2007年8月記 :



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