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 『へいわ屋漫筆』 第1回 鰻と練乳かき氷

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第1回PDF版 :

  蒸し暑さもたけなわ。京都の夏ですね。おとろえがちな食を補うため、
 店主は鰻を食べに行くことになりました。繁華街の老舗鰻屋さん。
 実は店主は今まで、その築八〇年位の建物の造作や風情を見物する事に
 重きをおき、肝心の鰻料理に関してあまり意識をしていませんでした。
 不遜な事に。しかし、今回久々に訪れ、めでたく「錦糸丼」を頂いてみたら…
 何という滋味でしょうか!大変結構に思われました。

  以前と今回、何が違うのでしょうか。
 そう、思いあたることは、「現在の私は肉体労働をしている」 ということです。
 以前は体を動かす事の少ない業務に就いていましたが、今は立ち放し
 走り放しの立派な日雇い労働者です。疲れた体は、どうやら鰻の蛋白質、
 しょうゆの塩分等々を欲しがるらしいのです。世の中に濃い味付を好む人が
 多く、そうした商品が多い理由がよくわかりました。

  同じように、以前の私はかき氷にバニラアイスや練乳をかける人の気が
 知れぬと思っていました。かき氷の粋は「みぞれ」につきると思っていました。
 それが今では毎日食べたくなるのは「練乳あずき」に他なりません。
 これも労働により、ハイカロリーを欲しているのでしょう。

  読者の皆さん、「何を下品な、食べ物の話か」 と仰らないで下さい。
 私は自分の食欲の変化により、世の労働の苛酷さを思い知りました。
 現在の私を含め、「働き、食べ、眠る」 くりかえしだけの生活をしている
 人はいかに多いことでしょう。現在の私を含め、そういう生活を送っている
 人たちは、平和についてじっくり考えたり、具体的な行動をとる余裕が、
 悲しいくらいありません。

  それでも私を含めた彼らこそは、「平和に」「幸せに」暮していくべき者では
 ないでしょうか。というか、「平和に」「幸せに」暮らしたいのです、私は!

  そういう生活を送っている人たちをも包む、実感可能な平和の行動、発信、
 提案を行いたいと、ひとしきり考えていました。 夕立を聴きつつ。


 構成:【PeaceMedia】/(C)へいわ屋 2006年7月記 :



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